DON MANN
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Lures Can Be Dropped Back, Too
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| ドロップバック・テクニックといえば、ライブベイトのそれを指すのが普通である。ストライク後にラインを送り込み、ベイトを呑み込ませて確実にフックアップさせるテクニックのことだが、これは何もライブベイトだけの専売特許ではない。実はルアーの場合にも非常に効果的なテクニックなのだ。ルアーの場合、普通はリールのドラッグ値を最初からストライク・ポジションに設定するが、これだとフックアップはある程度まで運に左右されてしまう。ジャレつくだけのカジキでも、ルアーをドロップバックさせれば口を使うことが多いのである。アメリカの一部のエキスパートたちの間では、このドロップバック・テクニックの登場により、今までのルアートローリングの考え方がすっかり覆されてしまったほどである。この記事を読んで、ぜひ諸兄の釣りにも革命を起こしてほしい。 ドロップバックとは何か? ビッグゲームフィッシングにおいては「絶対にダメ」という言葉も、また「絶対に大丈夫」という言葉も決して言ってはならない。下記はその例のひとつである。 |
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ビッグゲーム・アングラーたちは、はるか昔日より、いかなるマーリンも本物のベイトと本物に見せかけたプラスティックを区別できることを、限りない叡智をもってはっきりと認識してきた。餌だと思ったものがプラスティックだとマーリンに気づかれたら、即座に拒絶されてしまう。この観点に基づいて、アングラーたちはアーティフィシャル・ルアーにはナチュラルベイトと同じ方法は使えないと見放してきた。だが、はたして「絶対に」そうなのであろうか。 この数年間、ビルフィッシング・エキスパートたちは、アーティフィシャル・ルアーのフックアップ率を改善する目的で、様々な実験を試みてきた。その結果、彼らはこれまでに確立された既存の釣り方を大胆に改革することになったのである。 ライブベイトやデッドベイトのフッキングを成功させる上でもっとも肝心なテクニックは、いわゆるドロップバック(編注:日本の釣り用語で言えば「送り込み」と言う言葉が意味的に最も近い)と呼ばれる方法だ。 |
| ドロップバックは伝統的に大きく2つのカテゴリーに分けられる。その中で、もっともよく知られているのは、ビルフィッシュがベイトをくわえた瞬間にラインをフリースプールにする方法である。この方法は、かすかな抵抗でもラインをリリースするアウトリガークリップを使用する際に用いられることが多い。この方法を用いるとビルフィッシュはベイトをくわえた時に余計な抵抗感を覚えず、フックがついているにもかかわらずベイトをすんなりと呑み込んでしまいやすい。そして、すっかりベイトが呑み込まれてから、ドラッグを締めてフッキングするのである。 もうひとつのドロップバック・テクニックは、ビルフィッシュがベイトをビルで小突いたり、あるいは叩いたりした瞬間にフリースプールにする方法である。この方法は、ビルフィッシュがベイトをなかなか口にくわえないときに用いられる。ビルフィッシュに充分に時間を与えて、ベイトを確実に呑み込ませるやり方である。 |
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| どちらの方法でも、アングラーは最初のストライクからある程度の時間をおいてフックセット(アワセ)する。どちらもナチュラルベイトへの最初のヒットがあった後にラインをフリースプールにするテクニックであり、これがすなわちドロップバックと呼ばれているものである。 ドロップバック・テクニック ルアーへの応用 一般に、ビルフィッシュは本物のベイトと硬質プラスティックの違いを感じ分けると考えられている。そのため、アーティフィシャル・ルアーの場合は、リールのドラッグを最初からストライク・ポジションにセットしてトローリングするのが普通である。したがって、フックアップも、特にヘビータックルを使用している時には、一か八かの運任せ的な要素が強い。ナチュラルベイトとは違って、ヒットした時にフックがうまく突き刺さらなければ、ビルフィッシュは硬質のプラスティックルアーを2度追いすることは滅多にないと考えられている。 しかし、そのような固定観念も、近年登場したソフトルアー(特に、流体力学者のフランク・ジョンソンのデザインによるSoftheads)によって大きく変わり始めた。 また最近では、セントトーマス島のレッド・ベイリーやサンファン在住のマイク・ビナイテスらによって、ドロップバック・テクニックをアーティフィシャル・ルアーに応用するという斬新なテクニックが試みられている。これは、マーリンがヒットした際に、硬質のアクリル製ヘッドを持つルアーにはショート・ドロップバックを、ソフトヘッドのルアーにはそれよりも少し長めのドロップバックを与えるというもので、フックアップ率を大幅に向上させることができた。 |
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実験を繰り返した末に2人が最終的に落ち着いたメソッドとは、マッカレルをベイトに使っていた時代の経験からヒントを得たものである。チャーターの客が初心者の時など、ラインが勝手にズルズルと出ていかない程度にドラッグをセットしておき、マーリンがヒットした時にリールがセミ・フリースプール状態になるようにしていたのである。こうしておけば、初心者のアングラーでも容易にロッドをホルダーからチェアへと移し替えることができる。そして、チェアに腰をすえてハーネスを装着してから、ドラッグレバーをストライクポジションまで押し上げ、フックセットを行なう。彼らの考案したテクニックはまさにこれをルアーに応用したものなのである。 ベイリーとビナイテスによる実験の結果、リールのドラッグセッティングを最小限に抑え、魚にラインの抵抗感を与えないようにしている限り、ほとんどのマーリンが、たとえアクリルヘッドのルアーであっても、ナチュラルベイトと同じくらい長い間、ルアーを口にくわえていることがわかったのである。 |
| シングルフックが有利な理由 それと同時に大型のマーリン用ルアーには、これまでベテランたちが好んで使ってきたダブルフックではなく、むしろシングルフックの使用をベイリーは勧めている。リーダーをカットしてマーリンをリリースする場合、シングルフックのほうがずっと生存率が高くなるからである。 |
| マーリンをリリースする時、ルアーとフックを取り外そうと努力するアングラーもいるが、たいていの場合はただリーダーを切断し、フックを口に残したままにしているようだ。ベイリーによると、ダブルフックを残されたマーリンは、上下の顎にそれぞれフックが掛かっていることが多く、それによってマーリンは致命的な開口障害に陥ってしまうという。 さらに、ベイリーのこのシングルフックへの切り替えは、はからずもフッキングに関する問題をも同時に解決した。その問題とは、フックの存在を感じた途端、マーリンはフックアップする前にルアーを吐き出してしまうというものだった。しかし、シングルフックをスティフ(固定式)でリギングし、ドロップバックテクニックを用いてみると、フックアップの確率はさらに向上したのである。2本のフックが90度ずつ突き出た通常のダブルフックよりも(90度に限ったことではないが)、シングルフックのほうが魚に対して違和感を与えないのは明らかである。 |
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ドロップバック・テクの実際 レッド・ベイリー、マイク・ビナイテスらがこうした新しいテクニックを広めている間にも、他のアングラーたちは、この革命的なテクニックを実践し、さらに効果的なものへと進化させていった。 フランク・ジョンソンもその1人である。彼はよりドロップバック・テクニックに向かったNew Softhead Chuggersを開発し、シングルフック付きのドロップバック専用リグとして売り出したのである。ほとんどのアングラーは8インチのミディアムサイズを抵抗が少ないという理由から好んで使用しているようだ。トローリング時の抵抗が少ないこのルアーを使用すれば、ドロップバック時のドラッグ設定をさらに軽くセットすることができる。つまり、マーリンに対して、さらに違和感、抵抗感を感じさせずに済むのである。我々の仲間にも、コスタリカ沿岸でこのジョンソンのリグをドロップバックさせて素晴らしい釣果をあげたアングラーがいる。 |
| ベイリーとビナイテス考案によるこの新しいテクニックを、私が初めて雑誌に発表したのは1991年5月のことである。92年初頭までに他のフィッシングライターたちもこのテクニックについて書いていたことも手伝って、ドロップバックはアーティフィシャル・ルアーでマーリンを釣る最も効果的な方法という噂が広まった。 では、ドロップバック・テクニックの具体的な手順を説明していこう。まず、トローリング時にラインがズルズル出ていない程度の強さにリールのドラッグレバーを設定しておく。ロングルアーの場合は、アウトリガーに取り付けてある「ローラートローラー」などのリリースクリップを介して流すわけだが、この時、リリースクリップをごく弱く調節しておくこと。フラットラインの場合も、トランサムに結んだ短いロープの先にリリースクリップを取り付け、それにラインを通して流すことができるが、この時にもクリップを可能な限り弱くしておく。 |
| 魚がストライクしたら、アングラーはロッドを持ってティップを魚の方向に向け、テンション(抵抗)を最小限にする。そして、そのままファイティングチェアに座るか、あるいはスタンダップベルトのジンバルにロッドバットをセットすればよい。それから、ドラッグを締め、ロッドを大きく立てながらフックセット(アワセ)するのである。マーリンがフックを感じてルアーを吐き出した場合は、ルアーを素早く海面まで引き上げてからドラッグを再びゆるめ、スプールを親指で押さえて、そのままマーリンのチェイスを待てばよい。 読者の皆さんも、ぜひトライしてほしい。きっと「絶対に限りなく近く」成功するはずである。進歩は「絶対にダメ」という先入観を捨てることから始まるのだ。とはいえ、「絶対に大丈夫」と言い切ってしまうのは止めておいたほうがいいが……。 |
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筆者紹介/ドン・マン(Don Mann) アメリカのビッグゲーム・シーンを語る時には欠かせないライター&フォトグラファー。ただ傍観者として関わるのではなく、自らもロッドを握る。アメリカでは非常に名の知れたアングラーである。事実、すべての9ビルフィッシュを11カ月と1週間のうちにキャッチするという偉業を達成しており、IGFAに認定され、1989年のギネスブックにも名を残している。この記録は当ウェブで紹介したラス・ヘンズリーに破られるまで史上最短のものであった。また、37kg(80Lb)テストラインで810Lbのアトランティック・ブルーマーリンをキャッチしており、栄誉あるIGFA「10to1クラブ」入りを果たしている。共著に「Great Fishing Adventures」があり、「Marlin」「Fishing World」「Florida Sportsman」等に記事を連載している。 |