SUCCESSFUL DOWNRIGGER FISHING
日本のフィッシングシーンを大きく変える!

ダウンリガー・フィッシング(5)


コピー&フィールド・テスト/石丸益利
イラストレーション/松原三千男

これまで4回に渡って、ダウンリガーのシステムや取り扱い方法について紹介してきた訳だが、皆さんが実際にダウンリガーを使ってトローリングをした時に、今ひとつスムーズに仕掛けがセットできなかったとか、ストライクがよく分からないとか、ストライクがあってもなかなかフックアップしないといった幾つかの問題点にぶつかっていないだろうか? そこで今回は、今までの復習の意味も含めて、それら予想できる問題点の解決法について説明してみよう。


トラブルを未然に防ぐために

 まず最初に、仕掛けを目的の深度まで沈める際に、ウエイトの沈下速度とリールから送り出すラインの速度を、できるだけ同じ速度で行なう方法について紹介してみよう。
 これがうまく行なえない場合、ラインの送り出しがウエイトの沈下速度より遅くなるとラインがリリースから外れてしまったり、ラインブレイクを起こしてしまう事となる。また、ラインの送り出しスピードが速過ぎるとバックラッシュを引き起こしたり、必要以上にラインスラック(ドロップバック)が出てしまうので、ルアーやベイトを目的深度にセットした後は、このラインスラック分を回収しなくてはならなくなる。そこで、ラインをスムーズに送り出すための方法をリールのタイプ別に紹介してみよう。
 両軸のフリースプール・リールの場合は、まずスプール・エッジもしくはラインを親指で軽く押さえ、次にフリーボタンを押してからダウンリガー・ウエイトを降下させる。その際、リールのスプールからラインがウエイトの自重によって自然に引き出されるように親指でスプールにブレーキをかけてやる。その時、ラインには船の移動による横方向の水圧がかかるため、ラインはウエイトの自重よりも強い力で引き出されて行くことになる。そこで、ダウンリガーのスプール回転を目で追いながら、ほぼ同じ速度でリールのスプールからラインを送り出すようにする。

 レバードラグ・リールの場合は、レバーを完全に下げて、スプールをフリーの状態にして、前述のフリースプールの時と同じ要領で親指でサミングを行なうか、ドラグレバーを適当なブレーキの位置に合わせて、ウエイトの降下速度とラインの出て行く速度が一致するように調整しながらウエイトを降下させてやる。
 スピニング・リールの場合、左手でスプール全体を包み込むようにしてから、ベイルを起こし、ウエイトの降下に合わせて指とスプールの隙間からラインを送り出してやる。
 リールのタイプに関わらず注意しなければならないことは、ウエイトの降下が止まってもボートが動いていればラインはどんどん出て行ってしまうので、ウエイトの降下が停止した時点で直ちにリールのラインの出を止めなければならない。そして、ドラグをストライク・ポイントの位置に上げてクリックをセットしておく。この時に注意しなくてはならないのは、ドラグ・レバーがストライク・ポイントまで十分に上がっていないと、ドロップバックしているラインの水中抵抗によってラインがリールから引き出されてしまうことになる。

 次に、ストライクがあってもアタリが分からずに、ダウンリガーを上げてみたら、リリースからラインが外れない状態で、ルアーに魚が付いていたといった経験をした方も多いと思う。これは、ライン・リリースのテンションが強過ぎるために起こることで、ラインリリースのテンションを弱くするか、調節ができないタイプの場合には、他のタイプのリリースに変更する必要がある。また、ラバーバンドを使用する際にも、ライン強度の50%程度で切れるラバーバンドを使用する必要がある。
 また反対に、ルアーやラインの水中抵抗でラインがリリースから簡単に外れてしまう場合には、リリースのテンションを強目に調整するか、リリース・クリップに付いているラバー・クッションの奥側でラインをクリップすると良い。
 その他に、ラインに糸ヨレが生じている場合などには、ライン・リリースにラインをセットして、ウエイトを水中に入れるまでにラインがリリース・クリップやウエイトに巻き付いてしまうといったトラブルでライン・ブレイクを引き起こすこともある。このトラブルを防止するためには、ダブルラインとリーダーを接続するスイベルは回転のスムーズなものを使用し、ラインのヨレには十分に注意を払う必要がある。

 ダウンリガーにセットしたロッドは、時々そのティップの曲がりをチェックするようにして、ティップが普段よりも曲がっている場合は、海草やビニール袋といった浮遊物がラインに引っ掛かっている可能性があるので、その都度、ラインの点検を行なうようにする。これもまたラインブレイクの原因としてよくあることなので注意しなければならない。
 ルアーを流していて、ストライクがあるのになかなかフックアップしない場合、基本的な事として、フックを十分に研いであるかをまずチェックする。しかし、ダウンリガーを使った場合の一番大きな原因として、ラインリリースからロッドティップまでのラインスラック(ドロップバック)が大きく出過ぎてしまっている事が多い。
 ドロップバックが大きいと、ラインがリリースされた瞬間にラインに弛みが生じ、フックアップのタイミングが遅れてしまうためにバラシの原因となるのである。
 この、ラインスラックを無くす方法としては、まずラインを送り出す時に、必要以上にラインを出さないことである。しかし馴れるまでは、うまくラインの出をコントロールするのは難しいので、とりあえずラインを一度出してから、余分なラインスラックを取り除いてやる。

 ラインスラックの取り方は、左手でラインを掴み、リールの方にラインを引き寄せると同時にラインをリールに巻き込んでいく。そのうちに、ラインを引き寄せる手にグッと重みが加わった時がラインスラックの取れた時である。
 また、スローテーパーのロッドを使用している場合、左手でラインを引き寄せながら、ロッドの曲がりに注意しつつ、ロッドの先端が大きく下がるまでラインをリールに巻き込んでいく。ラインのスラックを取り、テンションを与えた時、ロッドの調子が硬過ぎると、ボートのローリングやピッチングといった動きによってラインがリリースから外れてしまうことがある。このため、ダウンリガー用のロッドは、多少スローテーパーのものが使い易いといえる。

 一方、ベイトを使用してダウンリガー・フィッシングを行なう場合は、ルアーの時と反対に、ドロップバックを十分にとって、ストライク時にラインがリリース・クリップから外れて後、魚がベイトを十分に喰い込むためのタイミングを与えるようにする。特にライブベイトを使用する時には、このドロップバック・テクニックがフックアップの確率を高めるために非常に重要な要素となることを理解しておく必要がある。

※ダウンリガー等に対するお問い合わせは、ユニコン・エンジニアリング・サービス(株)  電話0466-27-8119(代表)


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