タヒチ 輝ける島、
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| 南の島、タヒチが黄金色の光に包まれる夕刻。映画『南大平洋』で神秘的な魅惑の島『バリハイ』として描かれたモーレア島が、ブロンズ色のシルエットとなって港の沖合に浮かび上がる。 この島を訪れた者は、原色に輝く感性の叫びを心に刻んで島を後にする。 「昔、この島にやって来たのは、この釣りのためなのだ…」 そんな想いを胸に、再びこの島を訪ねたいと思う。洋上の、大魚とのファイトが決して心から色褪せないように、島の記憶はいつも心に新しい。 |
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グレイがタヒチ沖で記録した巨大魚こそ、男たちの夢と幻の始まりでもある…。
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| 傲慢なほどの青の世界 かぐわしき香りを貿易風が運ぶ ![]() |
ハーマン・メルヴィルの小説『オムー』には、A narrative Adventures in South Seas(南海冒険譚)という副題が付いている。 タヒチは『サウス・シーズ』の楽園伝説を語る上でのかぐわしき魅力に満ちているが故に、この島を訪れた画家の失意と焦燥もまた際立って見える。 サウス・シーズの島々に『野生』を夢想したゴーギャンは、名声と富を得る手段として南の島のインスピレーションを求めた。しかし、時代のさまざまな思惑のズレが彼自身を南の島に幽閉してしまうことになる。貧窮、病気、失意と絶望の中で、輝ける南の海に背を向けて、彼は呻き続けた。晩年、タヒチからマルケサス諸島のヒヴァ・オア島に移り住んだゴーギャンは、精も根も尽き果てた末、彼の島で死を迎えた。1903年、5月8日の朝。 |
| ゴーギャンの死の15年前、95フィートの優雅なスクーナーでパペーテに入港したロバート・ルイス・スティヴンスンの《サウス・シーズ紀行》は、その恵まれた状況において、ゼーン・グレイのそれと大いに共通するものがある。『キャスコ号』でサンフランシスコを出帆した彼の船旅は、1891年、サモアに居を構えるまで、ホノルルとオーストラリア間の大平洋諸島を巡る5000マイルにも及ぶものとなった。この旅は遥か後年のグレイの釣行と不思議と航跡が重なる。 | ![]() |
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タヒチの港町パペーテは、サマセット・モームの短編小説にしばし登場する。スティヴンスンやグレイとは性格を大きく異にする彼の鋭い観察眼は、生き生きとした原色の光溢れる当時の港を克明に綴っている。 『作家の手帳』でモームは、当時、パペーテにあった『ホテル・チァール』のことについて書いている。チァールとはタヒチ島民の花である。小さい星形の白い花で、緑の葉の茂った潅木に咲く。そして特別に甘い、官能的なにおいがする。髪と、耳のうしろにつける輪に作られ、それが島の女たちの黒い髪にかざしてあると、まばゆく陽に輝く…。 |
| 私は、このチァールの似合う島の女のことを、実は今でも夢に見ることがある。糠味噌くさい女房には内緒で、こっそりと見る夢は、タヒチの、パペーテの夜の、かぐわしき香りを今も甦らせてくれる。 『タヒチ・ビーチコマー・パークロイヤル』は、モーレア島を正面に眺める絶好のロケーションにある。水上バンガローからルームサービスをオーダーすれば、カヌーに満載した原色のトロピカル・フラワーと共に私たちのバンガローを訪ねてくれる。バンガローのテラスで、紺碧のラグ−ンを静かに滑るようにやって来る褐色の肌の女神たちを待つ時間は、まさにこの世のものとは思えないほどの魅力である。 傲慢なくらいの青さの中、太陽が照りつけ、心地良い貿易風がタヒチのかぐわしき香りを運んでくる。 |
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