「バーブレスを使おう! なんて
わざわざ言っていた時代もあったなあ」と、
昔を懐かしむ日がいつか訪れますように……。

編集部


 さて、今回のスポーツアングラーズ・ディベート「バーブレスの倫理学」はいかがでしたでしょうか。原稿を執筆していただいた4名の方々は、まさに『スポーツアングラーズ』の目標である「スポーツマインドとジェントルマンシップ」を兼ね備えた一流のスポーツアングラーと言えるでしょう。
 以前、バハ・カリフォルニアのイーストケープにある「スパ・ブエナ・ビスタ」というフィッシングロッジを訪れた時のこと。イーストケープはカボ・サン・ルーカスと並びビルフィッシングで有名なエリアで、トローリング・アングラーはもちろんのこと、先鋭的なアメリカ人フライロッダーたちが訪れることでも知られています。

 ロッジの周辺には荒涼とした不毛の土地が広がり、町らしい町も特にないため、ロッジの宿泊者はすべてアングラー。夜はコルテス海の潮騒を聞きながら食事をするのですが、その際、ロッジ側の粋な計らいにより、他の宿泊者たちと共に食事が楽しめるようになっています。テーブルにつく顔ぶれは毎日替わるので、3日もいれば皆顔馴染みです。人種は違っても、同じアングラー同志、会話は自然と弾みます。その日の釣果や前回来た時の自慢話で盛り上がるうちに、話題はいつのまにか他のテーブルのアングラーへ……。
 たとえば、「向こうのテーブルの青いシャツの男、奴のグループはキャッチした魚をすべてキープしてるんだ。今日だって、ストライプト・マーリンを2本に、ドラド(シイラ)を3本、イエローフィン2本、全部持って帰ってきやがった。釣った魚全部ぶらさげて写真を撮りたいって支配人に頼んだそうだ。ドでかいクーラーを2つも持ってきてるらしいが、昨日キープした分だけでも充分だろうに。毎日あんなに魚を殺して、どうやって持って帰る気なんだ。」と陰口を言われるアングラーがいる一方で、「いやあ、隣のテーブルにいる昨日来たグループには感心するよ。300Lbのブルーマーリンをリリースしたそうだ。手ブラで帰ってきたもんだから、どうだって聞いたら、その300Lbの他にセイルとストライプもリリースしたって。もうビルフィッシュは充分に釣ったから、明日はルースターフィッシュを狙うらしい。素晴らしいアングラーだよ。」と誉めちぎられる人もいる。もちろん、魚を殺したほうのアングラーがバッグリミットに違反していたというわけではないのです。
 人々が話題にしているのは、モラルや倫理といった次元の問題なのです。
 このフィッシングロッジの話は一例にすぎませんが、アメリカでは一般に「スポーツアングラー」あるいは「スポーツフィッシャーマン」と呼ばれる釣り人の自覚が非常に強いという印象を受けます。「私は捕獲のために釣りをしているのではない。食べるための魚を釣っているのではない」という自覚、と言えばいいのでしょうか。それはほとんど誇りにさえなっています。
 多くのアングラーが心配するバーブレスフックのデメリット(バレやすさ)が迷信であり、また少なくとも、魚に与えるダメージを極力抑えるという点では確実にメリットが大きいのなら、バーブレスフックを使用する場合に問題となるのは、バーブを潰すちょっとした手間と、ほんのわずかな勇気だけなのではないでしょうか。
 今後、当ウェブではバーブレスフックを推進していくつもりです。ハリ先の本当に小さなこだわりかもしれませんが、大きな意味のあることだと信じています。
 また、「スポーツアングラーズ・ディベート」のコーナーでは、読者からの様々な意見をお待ちしております。異論や反論、取り上げてほしいトピックなどがございましたら、当ウェブの掲示板もしくはe-mail:anglers@jb3.so-net.ne.jpにてぜひお聞かせください。皆様の積極的な参加を期待しています。

プライヤーによるディバーブ法

 基本的には、ショップに行っても、バーブレスフックという商品は入手が難しい。淡水用のフライフックには見かけるのだが、フライフックでも海用となるとまず見当たらない。ましてや、ルアー用のトレブルフックなど言うまでもない。そこで必然的に自分でディバーブ(バーブを潰すこと)することになる。
 ディバーブには、プライヤーで潰す方法とヤスリで削り取る方法がある。一般的なのはプライヤーで潰す方法で、イラストのようにして行なう。左は悪い例で、右が正しいディバーブ法。


 レフティー・クレー氏によれば、左図のように横からプライヤーを当てるとバーブが折れてしまうことがあるという。それを避けるためには、右図のようにポイント側から上下にプライヤーを当て、フックをしっかり支持しながらバーブを潰すこと。


バーブレスの倫理学〜
The Ethics of Barbless〜
Lefty Kreh
USE OF BARBLESS HOOKS
キャッチ率を上げたいならバーブレス


西山徹
プラグのトレブルフックは、
バーブレスのほうが良いのではないか

石丸益利
KEEP or RELEASE
リリース前提ならバーブレスを!
奥山文弥
バーブレスの可能性。トレバリーの場合。