Flyfishing with Lefty Kreh
Techniques & Tips

レフティー・クレーのフライ・テクニック(2)


ワイヤーリーダーの使い方

ここでは、ワイヤーリーダーの使い方を説明した「USING WIRE ON LEADERS」を紹介する。

文/レフティー・クレー
訳・構成/編集部


 通常ソルトウォーター用リーダーシステムの場合、その末端には「ティペット」と呼ばれる部分がある。ティペットはリーダーの中の最細部であり、最弱部である。ソルトウォーターのゲームフィッシュには、バラクーダやスパニッシュ・マッケレル、ブルーフィッシュをはじめ、鋭い歯を持つものが多い。それらの歯にかかっては、どんなに太くて丈夫なモノフィラメントでも簡単に切られてしまう。これを防ぐためにアングラーはなんらかの工夫をしなければならない。
 フライとティペットの間には、魚の歯にやられないような何かが必要だ。これが一般に「ショックティペット」と呼ばれているものである。個人的な意見だが、このショックティペットという呼び名にはどうも違和感を感じる。私自身はこの部分を魚の歯から守るという意味で「バイトティペット」と呼んでいるので、ここでもそう呼ばせてほしい。
ソルトウォーター・ゲームフィッシュの中でも、その歯の鋭さで知られるバラクーダ。

ソリッド・ワイヤー(solid wire)とブレイデッド・ワイヤー(braided wire)

 バイトティペット用の素材には普通ワイヤーが使用される。ワイヤーは基本的に2種類ある。ひとつはソリッド・ワイヤー。これはオフショアのビッグゲームアングラーたちがトローリングに使用するワイヤーで、ステンレス・スティールのシングル・ストランド(単線)である。ショップでは、番号を用いてワイヤーの直径と強さを示している。たとえば、#4ワイヤーは直径0.013インチで、39Lbテスト、#6ワイヤーは直径0.016インチで、61Lbテストというように……。これらのシングル・ストランド・ワイヤーには通常シルバー色とコーヒー色の2色が用意されている。魚を脅かすようなギラギラした反射を避けるため、コーヒー色のほうを好んで使うアングラーが多いようだ。
 ソリッドワイヤーの他に代表的なワイヤーといえば、極細の単線を数本編んだブレイデッド・ワイヤーがある。ソリッドワイヤーに比べると、より柔らかく、小さなスプールに巻けるので持ち運びに便利だ。ブレイデッド・ワイヤーとフライとを結ぶのに最も適したノットは、フィギュア8ノットである(写真:フライとの接続参照)。一度覚えてしまえば、20秒もかからずに結ぶことができる簡単な結び方で、ファイト中、ノット部分にひどいヨレができてしまうようなこともない。だが、ワイヤー自体が比較的柔らかく、簡単に曲がってしまうので、こまめに交換しなければならない。

世界中に広く生息するコビア(スギ)はポッパーで狙う。アングラーは、かのリー・カディその人。
 ブレイデッド・ワイヤーには、このような長所がある一方で同時に欠点もある。ソリッド・ワイヤーに比べると、どうしても直径が太くなりがちで、クリアウォーターでは時に魚を脅かしてしまうことがあるのだ。それに加えて、ワフーやシャークのように特に歯の鋭い魚を狙う場合には、キャッチの確率はかえって低くなってしまう。ブレイデッド・ワイヤーを構成する各単線に傷がつくと、強度が格段に低下してしまうからである。
 ソリッド・ワイヤーではこういうことは起こらないが、ファイト中にひどいヨレができてしまうことがたびたびある。ソリッド・ワイヤーをフライやリーダーと結ぶためにはヘイワイヤー・ツイスト(当ウェブ上『フィッシング・ノット』の項参照)を用いる。ブレイデッドをフィギュア8で結ぶよりも時間はかかるが、練習すれば2分以内で結ぶことができるだろう。

フライとの接続
ワイヤーの種類に応じて、フライとの接続にはいくつかの方法が考えられる。

ソリッドワイヤーを使用する場合、フライとの接続とティペットとの接続の両方をヘイワイヤー・ツイストで行なうことができる。ティペットとの接続には、ヘイワイヤー・ツイスト&オルブライト・ノットで結ぶ。この方法は見た目にも最も目立たない。結ぶのに時間がかかるという難点はあるが、それ以外においてはベストな接続法と言えるだろう。写真のようにポッパーを使う時などは、自由に首が動くのでより激しいポッピング・アクションが期待できる。


1. ワイヤーの種類:ソリッド・ワイヤー(単線)、フライとの接続:ヘイワイヤー・ツイスト、ティペットとの接続:ヘイワイヤー・ツイスト&オルブライト・ノット

釣り場で素速くフライを交換するためには、ティペットとの接続にスウィベルを使うという方法もある。ソリッドワイヤーとフライ、ソリッドワイヤーとスウィベルの接続にヘイワイヤー・ツイストを使えば、ティペットとの接続はクリンチノット等でスウィベルに結ぶだけで済む。スウィベルは最小サイズを使用して、シルバーカラーのものは避けること。そうしないと、フライではなく、スウィベルにバイトされてしまうことがある。


2. ワイヤーの種類:ソリッド・ワイヤー(単線)、フライとの接続:ヘイワイヤー・ツイスト、ティペットとの接続:スウィベル

ブレイデッド・ワイヤー(コーテッド)とフライとの接続に関しては、いくつかの方法が考えられるが、ホーマーロード・ループ・ノットとフィギュア8ノットの2つは覚えておく必要があるだろう。ホーマーロードはヘイワイヤー・ツイストのようにフリースウィンギング(首振状態)にできるという利点があり、フィギュア8はより短時間で結べるという利点がある。どちらかのノットでフライを結び、オルブライト・ノットでティペットに接続すれば見た目にも目立たない。

3. ワイヤーの種類:ブレイデッド・ワイヤー、フライとの接続:ホーマーロード・ループ・ノット、ティペットとの接続:オルブライト・ノット


4. ワイヤーの種類:ブレイデッド・ワイヤー、フライとの接続:フィギュア8ノット、ティペットとの接続:オルブライト・ノット

これは悪い例。アイの前でワイヤーが曲がっているため、水中でリトリーブした時にフライが回転してしまう。正常なアクションをさせるためには、ワイヤーを必ず真っ直ぐにしておくこと。フィギュア8に関しては、後でカットするほうを引いてノットを締めること。


バイトティペットの接続にはヒーテッド・ツイストは避ける

 一般に市販されているブレイデッド・ワイヤーには2種類がある。ブロンズ色の仕上げ処理が施されているものと、ビニールのコーティングが施されているものである(コーティングに色がついていることもある)。
 多くのフライフィッシャーマンが犯す間違いのひとつは、コーテッドのブレイデッド・ワイヤーを結ぶ時にコーティング剤を熱で溶かして接着することだ(ヒーテッド・ツイストと呼ばれる)。フックのアイにワイヤーを通して、ワイヤーどうしを4〜5回ツイストさせる。それから、マッチを近づけて、ツイストさせた部分のコーティングを溶かせば、非常に強力なノットになる。コーティングで固められているためブレイクすることはまずないのだが、魚の鋭い歯がひとたびコーティングを傷つけ、剥がれてしまえば、ワイヤーのノット部分はズルズルと滑ってしまうのだ。

ソリッド・ワイヤーの接続法


フライにはヘイワイヤー・ツイストで接続。


ティペットとの接続は、ヘイワイヤー・ツイストでループを作り、そこにオルブライト・ノットで結ぶ。


スウィベルを介してもよい。スウィベルには、やはりヘイワイヤー・ツイスト。

コーテッド・ブレイデッド・ワイヤーの接続法


フリースイングにするならホーマーロード・ループ・ノットが適している。


フィギュア8は釣り場での素早い対応に。


ティペットとはオルブライト・ノットで接続。


4インチという長さについて

バイト・ティペットにワイヤーを使用すると、ロングキャストが思うようにできないということにすぐ気づくだろう。ティペットとフライの間にワイヤーがあるだけで、フライをターンーオーバーさせることがこんなにも難しくなるものかと驚かせられる。ワイヤーリーダーはできるだけ短いほうがよいのだ。あまりにも長いワイヤーリーダーはキャストしにくいばかりか、魚を脅かすことにもなりかねない。長さは4インチをこえない程度が適当だろう。だが、私はこの4インチという長さをことさら強調しようとは思わない。なぜなら、巨大な魚がフライを丸々飲み込んでしまえば、4インチという長さでは短すぎるからだ。しかし、ほとんどの状況下は充分だろう。キャストのしやすさと、魚に恐怖心を与えないという点では、やはり短いリーダーに分があることは間違いない。
ブルーフィッシュを狙う場合にも、ワイヤーのバイトティペットは絶対に必要だ。

筆者紹介/レフティー・クレー Bernard “Lefty” Kreh
ソルトウォーター・フライフィッシングを愛する人で彼の名前を知らない人はいないだろう。その著書はどれも有名で、ビデオの出演本数も並はずれている。おそらく、アメリカで最も有名かつ成功しているフィッシング・ライターではないだろうか。また、彼の考案によるフライパターンも数多く、中でも「レフティーズ・デシーバー」は普遍的なスタンダードパターンとしてあまりにも有名である。主な著書には、「Fly Fishing In Saltwater」「Fly Casting with Lefty Kreh」「Salt water Fly Patterns」「Spinning Tips」「Advanced Fly Fishing Techniques」「Longer Fly Casting」などがある。


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