SEABASS
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ルアーとフライ、どちらでもいいからとにかくシーバスを1尾釣りたいという向きには、やはりルアーを選択するほうが早道と言えるだろう。後述するが、フライにはルアーとはまた別のアプローチやタクティクスが必要になるし、フライで狙う場合にしても、ルアーフィッシングでシーバスのパターンを大まかに把握しておいたほうが釣りやすいことは間違いないのだ。「フライ以外は邪教だ!」と宣う根っからのフライフィッシング信奉者でなければ、ぜひとも最初の1尾はルアーで挑戦することをお薦めする。 |
| さて、ルアーで狙うことを決めたら、まずはタックルを揃えなければならない。タックルは狙う場所というか、シチュエーションに応じて変える必要がある。例えば、河口やサーフなどではある程度のロングキャストが要求されるし、反対に港湾内ではアキュラシーが要求される。同じシーバスを釣るにしてもシチュエーションが違えば、タックルも違ってくるわけで、万能に使えそうな中途半端なタックルをワンセットだけ用意するという考え方は初めから捨てた方がいい。といっても、タックルだって決して安いものではないし、全てのシチュエーションを満たせるだけのタックルを最初から山のように買い揃える必要などまるでない。 |
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では、最初に揃えるべきタックルとはいったい何だろうか? この場合、それは「最初の1尾をキャッチできる可能性が最も高いシチュエーションに向いたタックル」ということになる。この「最初の1尾をキャッチできる可能性が最も高いシチュエーション」は、当然ながら、場所柄、土地柄によって大きく違ってくるだろう。地域によっては、堤防よりも河口で狙ったほうがよく釣れるかもしれないし、あるいは堤防周りを陸っぱりから攻めたほうがいいかもしれない。もし、このような情報(確実な)が得られて、しかも、いろいろアドバイスをしてくれるベテランと一緒に釣行することができるのなら、その場所に適したタックルを揃えればよい。 だが、そういう恵まれた境遇にいる人は極めて少ないはずで、不確かな情報を頼りに、不確かな自称ベテランと一緒に釣行しなければならないビギナーのほうが断然多いに違いない。そんな場合に頼りになるのが、俗に「ルアー船」の名称で親しまれているルアー専門の乗合船である。 |
| 現在、シーバスフィッシングが盛んなエリアには、たいていこのルアー船があるので、シーズンになると多くのシーバサーたちで賑わっている。経験の浅いビギナーにとって、このルアー船は、確かな情報と多くのアドバイスを一度に得られる貴重な場である。船に乗りさえすれば、場所は船長任せでOKだし、同船したアングラーの中にはシーバシングに詳しいベテランがいるかもしれない。つまり、このルアー船こそ、「最初の1尾をキャッチできる可能性が最も高いシチュエーション」と言えるのである。 事実、ルアー船に乗ることによって学べる事柄は限りない。かなりの確率で最初の1尾と出会えることは言うに及ばず、ワンシーズンを通して通えば、シーバスという魚のかなりの部分が見えてくるはずだ。シーズナリーな回游経路や行動習性、「◯◯沖のバース」といった具体的なポイント、状況に応じた釣り方のバリエーションなど、後々1人で釣行した際にも役立つ重要な事柄を数多く学ぶことができるのである。1回ウン千円の船代でこれだけのことを勉強できるのであれば、ベラボーに高い月謝とは言えないのではないだろうか。 したがって、ルアー船に乗ってやってみようというビギナーが最初に揃えるべきタックルは、当然、ボートからのシーバスフィッシングに適したタックルということになる。 |
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| ボートフィッシング用の標準的なシーバスタックルは、7〜9フィートのミディアムライトのスピニングロッドに、8Lbテスト150mのラインキャパを持つスピニングリール。リールはドラグのしっかりした高性能なものを選びたい。港湾内ではストラクチャー・フィッシングが基本になるので、根ズレ防止の意味から20Lbテスト約1mのショックリーダーを結んだほうがベターだ。ルアーとの接続は、直結したほうがトレブルフックとの絡みも少なくよいのだが、ルアー交換は面倒になる。頻繁にルアー交換をするようなら、ルアー専用のスナップスイベルを使ったほうがよいだろう。 最初の1尾をルアーで釣るには、いわゆるルアー船に乗るのが一番手っ取り早いということが、これで理解してもらえたと思う。しかし、「では皆さん、ルアー船に乗ってガンバッテください!」で終わってしまっては、この企画の意味はない。そこで、ここからは、もっと突っ込んだ具体的なアプローチ&タクティクスについて説明していこう。 |
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まず、何はさておきシーバスのシーズナリーな行動パターンを把握することが大切である。まったく季節はずれの時期に狙っても当然釣れるわけはないし、それこそ水たまりに糸を垂らすようなものだ。特に陸っぱりで狙う場合には、だいたい何月頃に接岸するかを知っておかないと話にならない。 1年を通してシーバスの行動習性を眺めてみると、意外なほどの回游移動をしていることが分かる。例えば、東京湾を例にとった場合、いわゆるフッコと呼ばれる3年魚以上のシーバスは、沖の根周りで産卵および越冬をした後、水温が上昇し始める3月下旬頃から接岸を開始し、しだいに湾奥へと入ってくる。その後、4月下旬から5月下旬にかけての大潮時に、「バチ抜け(ゴカイの産卵)」を狙って岸壁の灯りの下などに夜間集まることはよく知られた事実だ。そして湾奥の水温が上昇し、加えて水に濁りが入る夏の間は、水通しのよい深場の内湾に移動して過ごし、水が澄み始める9月中旬頃になると、再び湾奥の岸寄りに姿を現わす。9月中旬から11月いっぱいまでの約3カ月間は、シーバスフィッシングのプライムタイムとも呼べる時期である。その後、12月になり、水温が下がると、温配水口周りなどに居着く魚を除き、フッコクラス以上の大部分が湾内から姿を消す。東京湾の沖の根周りに落ち、越冬及び産卵を行なうためである。 |
| このようなシーバスのシーズナリーパターンを眺めてみると、ルアーのターゲットとして狙える時期というのが自然と見えてくる。まず、沖で越冬したシーバスが湾内に入ってくる春先から初夏にかけて。それから、夏の間、深場に移動していたシーバスが再び接岸する秋口から初冬にかけてである。この年2回のベストシーズンに集中して釣行すれば、水たまりにキャストするような事態だけは少なくとも避けられるはずである。 |
| さて、次に留意したいのはタイド、潮の動きである。まず、月齢についてだが、ベストな潮回りというのは、基本的に潮がよく動く時である。その意味では、以前から繰り返し言われているように、大潮時は悪くないのだが、同じ大潮でも季節的な変化や、何日目の大潮か、さらには時間帯による違いなど、もっと細かく見る必要がある。1日の潮の動きを見た場合、最も潮がよく動くのは、満潮からの下げである。(下げ潮時はただ単に潮がよく動くというだけでなく、ベイトフィッシュが一カ所に集まりやすく、それを狙ってシーバスが活発に捕食活動を行なう。)つまり、基本的には大潮の下げがベストということになるのだが、残念ながらそんなに単純なものではない。 例えば、同じ大潮の下げでも、冬の間は夜(その日2回目の下げ)のほうが下げ幅が大きく、昼(1回目)はたとえ大潮といえども、それほど潮は動かない。ところが、これが春になると、昼と夜は逆転してしまう。春は、昼間の下げ幅のほうが大きくなり、反対に夜はあまり動かなくなる。さらに季節が進み、夏になると、昼夜どちらの潮もあまり動かなくなり、かえって大潮後の中潮のほうが動きの幅が大きくなる。したがって、夏の間は、大潮後の中潮の1〜2日目あたりがベストであり、その次によいのが大潮の3〜4日目あたりということになる。そして秋になると、再び夜の潮が大きく下げ始めるのである。 |
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このような季節的な潮位の変動は、タイドグラフと照らし合わせてみれば一目瞭然である(ウェブページの都合上、この記事では割愛してしまったが、ぜひとも自分で確かめてみてほしい)。満潮から干潮にかけての幅、つまりタイドグラフ上の波線が激しいほど、潮の動きも大きいということになる。いずれにせよ、季節的な潮位の変動は、シーバス自体のシーズナリーな回游パターンと合わせて、キャッチするための非常に重要なカギなのだ。 実際、この2大要素(シーズナリーな回游パターンとシーズナリーな潮位の変動)をじっくり煮詰めた上で実績のある場所に釣行することができれば、たとえビギナーと言えども最初の1尾は釣ったも同然である。例えば、沖で越冬したシーバスがショアに寄り始める春であれば、まずは基本通り大潮を選び、さらに潮が最もよく動く朝から午後にかけての下げ(その日最初の下げ)を狙う。なぜなら、先述したように、春の大潮では夜よりも昼の(2回目よりも1回目の)潮のほうがよく動くからである。また、秋から冬にかけてのハイシーズンなら、同じく大潮の、今度は夜の下げ(その日2回目の下げ)を狙うという具合だ。 ここまで理解してしまえば、後はもう実践あるのみ。他に教えるべきアドバイスとしては、昼と夜の釣り方の違いくらいだろう。まず昼。昼はストラクチャー・フィッシングが基本だ。ルアーの種類とサイズはマッチ・ザ・ベイトで選べばよい。カラーはナチュラル系。サーフェスからディープへと順に狙う深度を深くしていく。リトリーブスピードは、人の歩く速さを基準に、それよりも若干速めがいいだろう。基本的にはノーアクションで、食いの悪い時にだけジャークを加えるようにする。 夜の港湾ではライト周りが中心になる。ルアーカラーは蛍光色の実績が高い。リトリーブスピードは、シンキングミノーならバイブレーションが伝わる程度のスロー、フローティングなら超スローで引く。 |
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